6月に入り夏の気配になってきましたね。
暑い季節もあっという間に訪れることでしょう。
暑い季節になる前にプチ情報!「熱中症対策にスポーツドリンクを」と
よく言われていますが、果たしてそれで良いのでしょうか?
色々なところで「スポーツドリンクを3倍に薄めれば良い」ということも実しやかに言われていますがそれは正しいの?
今回は本当に身体が水分を欲している時には何を飲めば良いか?を検証します。
大量の汗をかいた時には、
ナトリウム、重症の下痢や嘔吐にはナトリウムやカリウムなどの電解質の適正な補給が必要です。
上記のような症状の時に、点滴の代わりに口から摂取するものを経口補液といいます。
経口補液の基本は、ブドウ糖2%で水分・電解質共に点滴に近い吸収効果があります。
ですが、悪い事にスポーツドリンクは味(おいしさ)優先の為に2~3倍の濃さの糖質なのです。
しかも、その糖質は必要であるブドウ糖ではなく砂糖や異性化糖。ですから病的脱水時にはこの濃い糖質が水分補給にかえって邪魔なのです!
でんぷんを加水分解して得られたぶどう糖の一部を酵素等で果糖に変えた(異性化した)もの。
血糖が上がりやすくすぐに太りやすい。糖尿・高血圧の原因と言われている。
“ぶどう糖果糖液糖”等と表示されています
では、何を飲めばいいの?
- 普段の脱水(喉の渇き)なら水で十分
- 少し汗をかくぐらいの時は500mlのペットボトルの麦茶に1mlスプーンの塩
- 大量に汗をかいた時、病的な脱水時、重症の脱水症状改善には経口補水液を選択した方が良い時もあります
経口補水液の市販品は?
ドラッグストアで販売しています。他のメーカーでも売っています薬剤師さんにご相談ください
経口補水液OS-1は厚生労働省許可 特別用途食品 個別評価型病者用食品です
- 下痢・嘔吐・発熱・経口摂取不足・過度の発汗による脱水症状に適しています
- 乳幼児から高齢者の軽度~中等度までの脱水症状時にお勧めです。
- 食事療法の素材として適するものなので常用しないでください。
- 心臓、腎臓その他内臓疾患のある方は医師にご相談ください。
- 原則として医師・看護師・薬剤師・管理栄養士の指導に従ってお飲み下さい
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1日当たりの目安量を参考に脱水状態に合わせて適宜増減してお飲み下さい。
・学童~成人(高齢者含む):500~1000ml(g)/日
・幼児:300~600ml(g)/日
・ 乳児:体重1kg当たり30~50ml(g)/日
OS-1を飲んだとき「まず~い」と思うときは水分を必要としていないとき、「美味しい~」と思うときは脱水が始まっている脱水していると考えていいでしょう。
小さいお子さんなどイオン飲料を一度飲ませるとずっと飲みたがるという話しを聞きますが、アクアライトなどは水分補給が不要な時は美味しくないので癖にならなくて良いですよ。
スポーツドリンクを多用すると電解質濃度が低いことに起因する低ナトリウム血症から水中毒を引き起こす危険があります。特に乳幼児はその危険性が高いです。
普段から糖分の多いコーヒー・紅茶・清涼飲料水ばかり飲んでいたり、コンビニ弁当、外食が多い人は、ミネラル不足で本来、水で良い水分補給がOS−1などで補わなくてはならないことが出てくる可能性があります。
食生活を今一度、見直しましょうね。
今回の「教えて!食育」は、大阪市豊田歯科医院 豊田裕章先生に許可をいただき、先生の文献を参考に作成しました。